「とりあえず、座れ。」

きょとんとした顔で瞬きを繰り返す圭也の胸元をつかみ、強引に引き寄せる。
目を見開く圭也。

あ、

やりすぎたかも、


バランスを崩したデカい図体が私たちに襲い掛かる。





「ぐへ・・・」


痛っ・・重っ・・・


なんとか焼却炉に圭也ごと隠れることができたが、私の上に乗っかるようにして倒れてしまった。
私も圭也の重みに耐えきれず、頭と背中を思い切り地面に叩き付けるし・・・

圭也の腕が私の顔の横にだらんと伸び、またがるように乗っかった圭也の顔は私のむ、むむむむむむ・・・・



バチン‼

「イって~ひでーな。今のは怜悧が悪いだろ~?」


顔を真っ赤にさせて怒る圭也。
やっぱり変態だ。

なんでコイツはいつもいつも・・・・


そういえば、少年は?

あれ?


なんの被害もなく、隅っこにちょこんと座っている。
確か私たちが倒れたとこに座ってたはずなのにいつの間に移動したんだ。

立ち上がって移動する気配も、この子の方からは物音ひとつしなかったはずなのに…


チラリとこちらを見た少年は、私達を見るなり気まずそうに視線を外した。

え?


あ‼


「チョっ、いつまで乗ってんだよ‼」

どさくさまぎれてコイツ跨ったままだ。

「ど、退くから叩くな叩くな」


やっと普通の体勢になり話せる状態になった。