「そんなとこでナニしてんだよ~?」
げっ
圭也!
両手にゴミ袋を持った圭也が不思議そうにこちらを見ている。
一番面倒な奴に見つかってしまった。
この状況で圭也にいったい何ができるんだよー。
てか、なんでいんだよ~
ってゴミ出しか・・・
焼却炉を逃げ場にしたのが運のつきだったかも。
それより
「早くどっか行けよ。」
「ひどッ!」
ゴミ袋をひょいと焼却炉に投げ込む。
そして手を顔にあてがいわざとらしく泣き真似をし始めた。
うざっ
「消えろ!」
いきなり可哀想かとは思ったけどしょうがない。
だって今日はヒョウ柄。
シャツの上から”お前は大阪のおばちゃんかと”とツッコミたくなるくらいド派手なカーディガンを羽織っている。
元々デカいから目立つ目立つ。
悪いが今すぐ消え去ってほしい。
「まぁまぁ、何があったかくらいは教えろよ。」
泣き真似をやめて焼却炉に座り込むようにして隠れる私たちの前にふてぶてしく仁王立ちする圭也。
顔が真剣だから腹立つ。
圭也のせいで隠れてる意味ないじゃん。
話さなきゃ立ち退く様子は全くない。
私は大きく息を吐いた。
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