怒られたくはないが、ここは光にかけることにする。
架依斗の方に電話したら拗ねそうだからね。
ルルルル~ルルルル~
早く出て・・・
まだDクラスが来る気配は無いが早いに越したことはない。
ルルルル~ルルルル~
『・・・はい』
「光?」
いつものかすれた声に安心して少しだけ笑みが零れる。
自分でも気が付かなかったが、不安でいっぱいだったようだ。
『どうした?』
どうしたもこうしたもないよ。
私は今・・・
あれ?
「わかんない。」
『はッ?』
そう、わかんない。
光に電話をかけて初めて気づいたが、何がどうしてこんなことになっているのか怜悧は分かっていなかった。
ただ、Dクラスの奴らがなぜか隣にいるボロボロの少年を追いかけている。
そして、怜悧自身も巻き込まれてしまった。
それだけは事実として分かった。
後この状況があまりいいものではないことも。
『はぁ。電話してきたってことは何か困ってるんだろ?』
はい、そうですけど・・・
『何があった?』
「うーん」
『なんでもいいから話して。』
「Dクラスの奴に追われてる。」
『はッ?』
急に焦った声に変わる。
『今どこ?』
「焼却炉」
光の返事を待っていたのだが携帯から聞こえるのはプープーと通話の終了を告げる音だけだった。
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