少年は私とぶつからないように避けたせいで前のめりになり地面に両腕からザザーッと転がるようにして転ける。

怜李は突然のことにビックリして一瞬固まってしまう。
だがそれよりも、少年の後ろから何十人もの男が追ってくるのを見るや身体が勝手に動き出していた。

希夜に向かって暴言を吐いていたDクラスの男の顔が含まれていたからかもしれない。
防衛本能ってやつだ、きっと。


少年を無理やり起こし、腕を引いて猛ダッシュ。


怖いとか、そんな感情の前に

”逃げろ!”

それだけが頭に浮かんだ。



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追手から逃げる為に全力で今は走っているがもう限界かもしれない。
少年からゼイゼイと苦しそうな息が聞こえてくる。

私は最近追われるのが日常茶飯事になっていたためか、光に追われた時よりは息切れしていないがこのままじゃ、やがて追いつかれるだろう。



思い切って途中、建物の本通りから外れた狭い通りに逃げ込む。


そして着いた先はいつかの焼却炉の陰だった。




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