「ま、今の成績のままじゃココには居られないな。授業にもついていけないだろうし。」


希夜のことはほっとくことにしたようだ。
鮫島の声で我にかえった私。

どうしよ~


「1ヶ月以内に学力をAクラス並みに上げなきゃDクラスに移るってのが校長の条件だ。」


今の点数が103点。
このクラスの最低点数が166点。


63点も違うなんて・・・


”あの点数じゃ無理だろ”

”アイツがDクラス行ったらクズはどうするんだ?”


知らないよ!そんな事。

別に最初からDクラスだったのなら問題なかったと思う。
だけど、架依斗達に出逢って、Dクラスのヤツらのことを少し知って、ココを離れるのが惜しくなってしまったんだ。


”可哀相”

”ま、もう諦めるしかないな。”


囁かれるのはそんな言葉達ばかり。

やっぱり無理なのかな。


「先生!」

「なんだ?」

「1人で勉強したってあの点数じゃ無理です。」

そんなのわかってるよ!
突然手を上げ立ち上がった光がわかりきったことを言う。


「まぁーな。しょーがねーだろ。」

鮫島のヤツ、最初から期待してないって顔して。
私だってそう思ってるけど、なんか悔しい。



「一つ提案があるんですが。」


「言ってみろ。」



光はいったい何を考えているの?


自信満々の笑みまで浮かべ、両手を広げる。


「僕が怜悧の家庭教師になります!!」


はい?


「僕にならAクラスの平均まであげるのは容易いでしょう。必ずしや成績をあげてみせます!!」



光が私に勉強を教えてくれるってこと!?


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