「そんな、何かの間違えじゃ・・・」

やっと零れた言葉はそんな事。

ふと、視界にニヤリと冷たく笑う希夜が映る。

ゾクリと背筋が凍ったような気がした。


「き、希夜がやったんだ!!俺の成績をどうにかして書きかえたんだ!」

どうしてかはわからないがそんなことを叫んでいた。


「何を言ってんだ、天世。そんなわけないだろう。」

たしなめるように鮫島はそう言った。
だけど、だけど!!


嘲笑うような希夜の表情にカッと血が昇るのがわかる。

根拠(コンキョ)なんてない。
だけどアイツ絶対何か知ってるのに!


「あの点数は本物だ。もともとDクラスに決まっていたお前を無理やりAクラスに移したのは理事長だ。」


え?
なんて?


「詳しくは知らないが理事長はどうしてもお前をAクラスに入れたかったらしい…校長の反対を押し切ってまで、な。」


希夜がしろだったのも、理事長のせいだったことにも驚いた。

理事長か私をAクラスに入れた意図がわからない。


理事長まで私のこと…


「天世には学園を変える力があるってよくわからんこと言ってたぞ?」


学園を変える力・・・?
期待されてるってこと?


ガタンとイスの倒れる音がする。
希夜が勢いよく立ち上がったようだ。

目を見張りこちらを見ている。
さっきまで余裕たっぷりに嘲笑っていたのに。


「な、んで!」

なんだか、ものすごく怒っている。
そして足早に教室を出て行った。

「お、おい!」

鮫島も戸惑っているようだ。
私も希夜が怒る理由がわからない。

どうしたのだろう。

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