…数秒後


辺りは静寂に包まれた。




(魔王は!?
魔王は倒せたのか!?)




勇者マサルは、辺りを見回した。



そして気付いた。


勇者マサルは地面に倒れていた。

あの光の標的は勇者マサルだったのだ。





(何で!?…正義の味方って……言って、た…やん……)


勇者マサルは意識が遠のく中、心の中で叫んでいた。




『魔王マサル、貴方は悪だ』




意識が途切れる瞬間、そんな声を聞いた気がした。










そして世界は、救われた。










世界を良くするために
世界を滅ぼそうとした
『勇者マサル』は




いつの間にか
人々に


『魔王マサル』


と呼ばれている事に



気付く事はなかった。


END