「悠里―!!」


今日も友達の大きな声が教室に広がる。



「なぁに??」



あたし、佐藤悠里(中3)


名門でもなんでもないごく普通の中学校にいる女の子。



「ねぇねぇ、悠里って本当に好きな人いないの―??」


この子は友達の爽歌。



爽歌は恋バナが好き。



ってゆーか、爽歌は可愛い。



あたしは勉強・スポーツ・性格…


どれも普通。



なんにもとりえの無い人です。



爽歌に「好きな人いないの??」と聞かれても


「いないよ」と、答えるしかない。


だって、本当にいないんだもん。



……今は。