『ケンジ…結婚するの?』


オジサンはお茶を差し出して、自分も椅子に座るとタバコに火を着けた。


『何年か前に…そんな感じだったよ。ここに連れてきた。でも…もうずっと彼女は連れてこないから…違うと思うよ』


あの人もここに来たんだ。


『私は遊びだったのかな?私が付きまとうから…しかたなく…』


泣きじゃくる私に…オジサンは黙って立ち上がった。


一人泣いて…たくさん泣いて…。


目を真っ赤にした私に、コロッケを差し出した


『ケンジはそんな器用じゃねぇよ。ケンジはリコちゃんが好きだ。間違いねぇ』