『なんで大切なのか?』


しつこい。


焼き上がった魚を私達の前に置きながら。


『リコちゃん…まだ早くねぇか?』

私は顔に火が着いたように赤くなった


ケンジと私の部屋でした事を思い出して…彼の腕を掴んだ。


『ごめんごめん』

オジサンはご飯をよそってくれてから、背を向けて洗い物を始めた。


ケンジがそっと顔を近付けて…キスしてくれた。


耳元で囁く。

『俺も思い出しちゃった』

二人で見つめあって、もう一度キスした。


『食べようか』


『うん…』