『彼女は今、九州なんだ。黙っててごめんね。きちんと別れてないから、なかなか言えなくて。』


『そうだったの…』


『リコは子供じゃない。だから話しておきたい。彼女は別れたくないって、そのまま九州へ転勤したんだ。きちんと話が出来ないまま。ごめんな』


私を抱き締めて髪を撫でてくれた。


『私こそごめんね。辛い思いさせて…でもケンジが好き。』


『俺も。リコが好きだよ』

今は、一回りの歳の差よりも、彼女の…ケンジを想う気持ちの強さが辛い。