ケンジさんは慌てて手を離し、私の手を引いて歩きだす。


『ダメだよ。帰ろう。遅くなる』


私が子供だから…。


車に乗ってシートベルトしながら怒った声で言ってやった。

『胸触っても犯罪にはならないしっっ』


大人になりたい…


何か涙が出てきて…ケンジさんを困らせてしまう…


『リコちゃん…簡単にそんなことしたくないんだよ。リコちゃんが…大切だから…』


私からケンジさんに抱きついた。


『だって…かなわないもん、彼女さんにっ』


『バカ…』