「……お前、どこまで聞いてる?噂について知ってること全部教えろ」


命令口調なのが気にくわないが、そこは大人だと潤は我慢。



「この学校の保健室の冷蔵庫の中に、異世界への入り口があって、願いを一つ叶えてくれる」


潤が知り得ているほぼすべての情報を聞き終えた保険医は苦笑した。



「冷蔵庫ってマジかよ。あともう一つ、その異世界への入り口とやらのイメージはあるのか?」


潤は考えてみた。



―そこはエレベーターみたいな作りで、とても狭いんだけど、2人くらいなら乗れるよ




父の言ったことを遡って思い出した。



「エレベーターみたいな?」



すると保険医は立ち上がった。



「もう一個」


保険医はまだ質問を続けた。



「お前はちゃんと覚悟してるんだよな。生半可な気持ちじゃ、ろくなことにならないから」



立ち上がったため、威圧感が増す。



潤は言葉につまってしまったが、




絶対に叶えたい願いがあるから―…



「うん、叶えたい願いがあるから」