「おぅ」 『どうしたのー?』 「家着いたか?」 『うん‥‥‥颯太?』 「ん?」 『ありがとう、じゃ』ガチャ 美希はいつもそう。 すぐ我慢してきっと今も部屋で泣いているんだろう。 傷付くのはいつも美希で、笑っているのは兄貴なんだ。 兄貴は美希を笑顔にしてやれないよ。 ずっと1番でずっと愛されていた兄貴にずっと2番でずっと愛されていなかった俺らを、笑顔になんか出来ない。