野良犬
絵本・童話
完
0
さかきま黄傘/著
- 作品番号
- 529103
- 最終更新
- 2011/01/16
- 総文字数
- 3,460
- ページ数
- 32ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 889
- いいね数
- 0
- ランクイン履歴
-
絵本・童話35位(2011/01/17)
- ランクイン履歴
-
絵本・童話35位(2011/01/17)
寒い寒い冬の日。
金属の格子で作られた檻が、通り道の家の軒先に置かれていた。檻の周りには、ひと粒ふた粒のドッグフードが転がっている。
そのひとつめを慎重に調べてから口に入れてみたところ、舌のとろけるような肉の味がした。丸二日間、何も食っていないのだから、余計にうまいと感じる。
今度は檻の中にあるやつを食べようと思い、入り口付近のやつを幾つか食べ、さらに檻の奥へずいと頭を突っ込んだところで、いきなりガシャンという大きな音がした。
それは、人間の仕掛けた捕獲檻というやつであった。
ばかな私は、こうして人間に捕らえられてしまったのである。
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