最後の患者が帰り、片付けを済ませ、同僚らと着替えをしていると扉の向こうから「立花さん、ちょっと言いかな?」と遠慮がちに声が聞こえた。

その声が先生のものだということは同僚達も承知の上で「いいよねー若いからってだけで先生に気に入られて」と鋭い目付きをむけ小声でアタシに言ってくる。

その言葉の裏に嫉妬心や妬みがあることは十分承知で苦笑いしながら、「今、行きます」と扉の向こうに返事をした。