「で、デートって言い方……」
「まだそこ否定するの?俺たちは付き合ってるんだから、今日のはデートでしょ」
う……先輩こそ、そろそろわたしの言い分も考慮してくれませんかっ……。
「あの、それなんですけど……やっぱり、付き合うっていうのは、まだ早いかと……お友達、じゃダメですか……?」
今日は本当に楽しかったし、先輩にドキドキするのも本当。
でもだからって、わたしは先輩をそういう意味で好きという訳ではないし、それは、先輩も同じだと思う。
わたしのこと、本気で好きなわけではないと思うんだ。
好き同士じゃないわたしたちが、付き合うのはちょっと違うんじゃないかな……?
「……悪いけど、そのお願いは聞いてあげられない」
先輩の声のトーンが、ひとつ下がったのがわかった。
怒っているわけではないけど、先輩の態度が、急に真面目なものへと変わった。