どうやらわたしは、先輩の笑顔に弱いらしい。
* * * * *
空に夕日が浮かび始めた頃、お店から出たわたしたちは、先輩の車に乗ってわたしの家へ向かっていた。
ひとりで帰れると言ったのだけれど、送っていくと引かない先輩を断りきれず……。
車に揺られながら、車窓から見える景色を眺める。
結局、最初は行きたくないって拒んでたけど……今日、楽しかったな……。
「あの……先輩」
「ん?」
「今日は、ありがとうございました……楽しかったです」
結局、甘味処のお金まで払ってもらって、申し訳なさすぎる……。
「ほんとに?じゃあ、定期的にデートしよっか」
……わ、忘れてた。
そういえば、今日はそういう体で話が進んでいたんだったっけ……。