先輩はそのままわたしを抱え上げ、ベッドへと移動する。



「ま、待って……!」

「待たない」



違うくて、その……っ。



「あ、あの、わたし初めてで……っ。先輩と違って、わからないこと、だらけなので……」



出来れば、優しくしてもらいたい……っ。



「俺と違うってどういうこと?」



まるで何を言ってるんだとでも言いたげな先輩の瞳に、首をかしげる。



「え……?だって先輩、経験とか、豊富そうだし……」

「何言ってんの。俺、杏以外とキスもしたことないけど」



……へ?