「んじゃぁ、今日も1日頑張れよぉ。授業中寝たりすんなよ」
「しませんっ!!先輩も頑張ってくださいね」
そう言って別れた。
やっぱ、別れるときってちょっと辛いよね。
・・・。ちょっとじゃないか。
めちゃくちゃ寂しい。
先輩は、そんなコト思っちゃいないだろーな。
少しは思わせてやったりしてみたいなぁ。
なんてイタズラ心。
「こぉらぁぁぁ。中瀬ぇ」
後ろからとげがつくような大声が聞こえる。
アタシ、この声嫌ぁぁあい。
先輩の声聞いたあとにこの声聞いたら、違った意味で泣きそうになる。
「何ですかぁ??先生」
アタシのクラスの隣のクラスの担任の先生で、外見は熊で中身は親父。
佐川竜善(さがわ たつよし)先生。理科の先生だ。
「お前、なぁに朝からイチャイチャしているんだぁ??さっさと告っちまえ」
「そっ、そんなコト大声で言わないでくださいっ!!」
「もぉな、お前を見ていたらめんどくさい。好きなら好きと言えばいいだろう。来年で卒業だっていうのに」
「余計なお世話ですぅー。では、さようなら」
さっさと先生から逃れてコンバースから内履きに履き替えた。