この道を通って、今日みたいに先輩を朝から見れる日って何日なんだろ。



これからまた、登校の道で見れるコトはないかもしれないし。


ってコトは、今話しかけてみた方がいいんだよ。

かっこつけて『気分』とか言ってないで。




アタシは先輩の後ろまで走った。



「ふっ、古沢先輩っ」


「おっ、おはよぉ。中瀬は朝から元気だなぁ。俺なんかじじぃだよ」


「じっ、じじぃって。先輩、今日朝練ないんですか??」



「あぁ。だって今日は1ヶ月に1回の全部活休みの日でしょ??」


「そうでしたね」




眠たそうにあくびをしながら、そう答える先輩。


キュンキュンする。


先輩って何気猫っ毛なんだよね。


最近発見した。




「最近、陸上の方はどう??楽しい??」


いきなり先輩から話しかけてきたから驚いてしまった。


「もちろんですよ!!素直に楽しいです」


「素直ってなんだよ。おもしれぇなぁ、中瀬は」



その笑顔が好き。

誰よりも素敵で、カッコいい。



そうしていたら、もう学校が目の前にあった。