街を歩いていても何も聞こえない。

家まで歩くのは辛い。
タクシーに行き先を告げて、目を閉じる。

そうだ、あれは二年前だった。
生理が来なくて病院にいったらお腹には二人の赤ちゃんがいた。
幸平はすごく喜んでくれて、すごく仕事も頑張ってくれて。
帰りが毎晩遅いけど、一生懸命働いている幸平には何も言えずただ待ってた。

それが良き妻だと思っていたから。