『実はね、それほど意識してなかったんだけど、子供が出来たみたいなの。』
幸せな事を当たり前に話す美加子。
これから母親になる美加子は、言葉と裏腹に不安そうな顔をした。
『おめでとう。』
わたしの精一杯のお祝いの言葉。
特別な友人への。
『ただねーひどいのよ。アイツったら隠れて風俗にいってたのよ。付き合いだとか訳わかんない言い訳しちゃってさ。きっとあたしが満足に出来ないから行ってるのよね。』
めまいがする。
寒い。
体は寒いのに汗が吹き出てくる。
貧血かもしれない。
『でもいいやって思っちゃった。体がツラいし、仕方ないし、今は子供を無事に産む事だけ考えてるの・・・・ねぇ。沙雪!顔色悪いわ。今日は辞めよう。ごめんね、無理やり呼び出しちゃったわね。』
『ごめっ・・・違うの、急に。生理だからかな。今日は帰るわ、また誘って。』