あれから3時間が経った。

ママと大喧嘩して家を飛び出して公園のベンチに座ったまま、あたしは動かずにいる。


携帯を開いて時間を確認してすぐ閉じた。

『pm11:23』


ププーッ

クラクション音がして振り返ると見慣れた軽車が停まった。

運転席からスーツを着た耀(ヨウ)くんが降りてきて、小走りであたしの元にやってきた。


「真奈、また家出か。」

ネクタイを緩めて呆れ顔であたしの横に座ると、煙草をくわえてライターで火をつけた。