**葵**


君の家にお邪魔したのは、今日が初めて。

緊張しながら、君の御両親に挨拶をした僕は、ふと思う。

どちらかと言うと僕は君より、御両親の方に歳が近いのかも知れないと。

だから焦った僕は、思わず大胆なセリフを口走ってしまった。


「僕は紫乃さんと真剣に交際しています。紫乃さんを大事にします!」


僕のプロポーズのような言葉に、御両親が驚いたのは無理もない。

お父さんなんか、引きつった顔をしていたし。