そして、オヤジの自殺によって、会社はそれはもう、崩れる音がわかるくらいにガラガラと、荒れ、すぐに倒産した。



俺が刺されたことで世間を騒がせた社長の自殺、ということでもう一度ニュースにはなったが、今度はあまり大きくは取り上げられなかった。
ただ、ゴシップを狙った週刊誌などの取材がしばらく続き、俺たちや親戚は、ほとんど家から出られない状態が続いた。


何度も、お袋や親戚たちに申し訳ないと思った。
オヤジや、オヤジの会社の社員たちにも申し訳ない気持ちでいっぱいだった。



俺は何も出来なかった。



俺はただの高校生だった。
あまりオヤジと話した事はないが、オヤジは、俺に自分のあとを継がせようとはあまり思っていなかったと思う。


要するに、俺にITをひっぱっていける才能がなかったのを、オヤジはちゃんと見抜いていたんだと思う。