一緒に歩いていて、何も話さないでいるのは、久しぶりだった。続く沈黙を先に破ったのは意外にもサキの方だった。

「アスミ、そこの公園よらないかな…?いい?」

とっさの事で断る言い訳のタイミングを逃してしまい、アスミは仕方なく公園によることにした。

「そこに座る?」

とブランコを指差してアスミが言うとサキが、

「うん…そうしようか。」

と、微笑んだ。

二人で並んでブランコに座り、しばらくあたりを眺めたり、空を見たりした。


赤く染まり始めた空。
砂場で山を作るちびっこ。
たち話をする母親たち。
キャッチボールしてる親子。
時計の上にとまる鳩。
ベンチのカップル。
そして、となりの…。

ーーーサキ。

「ねぇ、アスミ…。」

「何…?」

「やっぱり、私…気持ち悪いでしょう?」

サキもやはり気にしていたらしい。元気のない声でサキがそういった。

「そ、そんなこと…!思うはずないよ!気にしないで?大丈夫って言ったじゃない?」

アスミは笑顔でそう言った。