「俺とまた会えるのが、ですか」

宮城が俯いたあたしの顔を覗き込み、あたしが頷くとまた無邪気な笑顔を見せた。
この笑顔は、本当に反則だと思う。とてもずるい。見ただけで頭の中で考えていたいろんな事も、複雑な気持ちも全部消えてしまう気がする。

「嬉しいです」

宮城がそう言ったのを聞くと、あたしは恥ずかしさのピークが来ていた。
きっと今あたしの顔は真っ赤だと思う。「あ・・ありがとう、ございました」と言ってあたしは急ぎ足で店を出る。
見せを出る時「またのご来店お待ちしています」と言う宮城の声がかすかに聞こえた。