「じゃあ、明日には入荷されると思いますので、また来てくださいね。今度Locksについてでも、邦ロックについてでも話しましょうよ」

宮城 恭哉は最後のほう少し笑いながら言った。きっと、冗談という事だ。
頭では冗談と分かっていても心は受け入れていない。

「はい、分かりました」

あたしも少し笑いながら言った。笑っていたけど、心の中じゃ「もうすぐ電話が終わっちゃう」なんて少し女の子らしく、あたしらしく無く、切ない気持ちに浸っていた。別に恋してるわけでもないのに、少し、少しだけドキドキするだけなのに。