今日を楽しみにしていた杏梨はお昼頃から用意に励んでいた。



冷蔵庫の中にはサンタさんの飾りが可愛いクリスマスケーキが入っている。


それに下ごしらえしたチキン。


大きめに切ったお野菜とチキンをオーブンで焼くばかりだった。




1人じゃ食べる気も起こらないよ……。



ミカンをもう一つ食べ終わると再びコタツの中へもぐりこんだ。



どの位経ったのだろうか、しつこく鳴るインターフォンの音で杏梨は目を覚ました。



自分がどこに居るのか一瞬分からなかった。



頭がまだ眠っていて身体を起こしたもののテーブルに伏せる。




~~~♪~~~♪



テーブルの上の携帯電話が鳴った。


きっとママだ。


心配してかけてきたんだ……。



手だけ伸ばして目を瞑ったまま携帯電話を耳に当てた。



「ママ、大丈夫だよ」



電話に出るとのんびりした声で出る。



クスッと笑う男の声がした。



『何が大丈夫なの?』



笑い半分が含まれた声に杏梨は飛び起きた。



「ゆきちゃん!!」



『もしかして寝てた?』



「う、うん」



何時なんだろうと首をめぐらし壁にかかった時計を見る。



じゅ、10時~!?


4時間も寝ちゃったんだ……。




『これから行ってもいいか?』



「ほんと!?」



一番会いたかった人に言われて杏梨の声が弾む。