あたしは佐野君に恋してる。

そう意識するだけで世界が変わって見えるようになった。

大袈裟かもしれないけれど、少なくともあたしはそう。

翔子と亜実子にはまだあたしが佐野君が好きだって教えてない。

恥ずかしいけど、親友だし、ちゃんと教えよう。

内緒になんてしたくないし、手伝ってもらお!




「翔子~亜実子~!おはよー♪」

「おはよう、小春」
「オハヨー♪」

鞄を自分の席に置きながら2人に挨拶をした。

「昨日はどうだったの?」

翔子のこの質問にドキッとした。

「えっ!!?//はぇ??//」
「いや、何の用だったのかなって」
「どったの??小春、顔赤いよ??」

言うなら今かな?
今だよね!!?

「あっ…あのねっ…」

2人に言おうとした瞬間、

「オーッス」

佐野君が来て、挨拶してくれた。

「おっおはよう」

佐野君はそのままスタスタ自分の席に行った。

しばらく呆然としてしまった。

挨拶してくれた!!
すっごい嬉しいよぉ!

「小春、佐野と仲良かった?」
「えっ!!?//」
「小春ぅー…怪しい香りがするぅー!」
「えっ??えっ??//」