「小春ぅ?何か朝からご機嫌だよね」
「…いいことがあったのよ。アンタが廊下に立ってた間に」
「∑マジか!!」
なになに!?なんて迫ってくる亜実子に、朝の経緯と生徒手帳を渡した。
「なるほどねぇ。しっかし佐野っちの字きったなぁい」
「…口に食べ物入れてる状態で喋る亜実子も汚いわ」
今はお昼の時間で、佐野くんはサッカー部の友達とどっかに行っちゃってる。
チラッと佐野くんの席を振り向き見て、またお弁当に視線を戻す。
「そういえば、亜実子っていくら食べても太らないよね」
「ふふぇふぁ」
「……きったな」
翔子が心底嫌そうに呟いたのは、私にしか聞こえなかった。
苦笑しかでてこない。
「でも、言われてみればそうね。毎時間の休憩時間には絶対パン食べる上にそのお弁当箱だもの」
「お弁当2つって、そんなにいるかなぁ」