ガラッと勢いよく扉が開いた。
やっと亜実子が来たなって思ったら、佐野君が息を切らしながらこっちに来る。
――…こっちに来る?
「∑え!?」
「…はよ、白鳥」
「お、おはよ、う」
どうしたんだろう?
てゆーか緊張するっ!
「佐野君?」
ゼェゼェ言ってるから心配して聞いてみたら、ガバッて顔を上げた。
「白鳥、宿題貸してくんね?」
「……へ?」
あまりにも真剣に聞いてくる佐野君に、あまりにも気の抜けた声が出た。
「白鳥もしてないのか?」
「や、してる。ハイ」
「サンキュー」
ファイルごと佐野君に渡すと、ニカって笑って席に向かう。
めっちゃキュンとした!今!
くぅ~と悶えていたら、チャイムと共に先生が教室に入ってきた。