「小春!!」


すぐ近くにママの声がしてパチっと目がさめた。


「あ、ママ」

「ご飯よ。下に降りてらっしゃい」


目を擦りながら、ゆっくり時間をかけてベットからおりた。
自室のドアをパタンと閉めると、下からいい匂いがしてくる。

都合のいい私のお腹は、盛大な音で自己主張してきた。

手をお腹にあて、それでも急ぐことはせずゆっくり降りた。


リビングに入るとご飯が用意してあって、パパとお兄ちゃんがいた。



「パパもお兄ちゃんも帰って着てたんだね」

自分の席に座りながら、おかえり、と言う。

私のパパはしがないサラリーマン。
頭七三に分けちゃってるけど、ママ曰く昔は格好よかったらしい。

お兄ちゃんは私の4つ上で医大生。
頭が良いからってすぐ私のことをバカにするの。


「あれ?小夏は?」

「部活でしょう」

「そうだった」


お料理を運んできたママが私のとこにカレーを置きながら言った。