「葉流~!!」



私の名前を呼ぶ声が聞こえ、あわてて振り向く

桜の木がちょうど葉をつける季節

竹ぼうきを手に2本もって、小柄な女の子が走ってくる




「もー走ってきたら転ぶって!未羽はただでさえチビなんだから!」



「あっ!葉流ひどいっ!せっかく持ってきてあげたのに!」




ぷぅっと頬を膨らませて私を見上げる仕草は、本当に可愛い

ちっちゃくて、可愛らしい

私の友達




「はいはい、ありがとね」




そうお礼を言うと、未羽は膨らませた頬を戻して

すぐ笑顔になる

ほんとに可愛い





「もう、葉流の罰掃除手伝ってあげるんだから!もっと感謝してよね!」





冗談っぽく、偉そうにそう言ったって全然迫力がない未羽