何だろ、あたし風邪ひいたのかな?

そんなことを頭の隅っこで思って見るのだけど、やっぱり違う。

これが、現実なんだ。

触れただけのキス。

離れる時は、まるでシールでもはがす時のように丁寧だった。

至近距離で見た帝の目は、潤んでいた。

チュッ…。

小さな音を立てて触れた唇。

それだけのことなのに、もうヤバい。

何度も何度も、触れては離れる唇。

本当に頭がおかしくなっちゃいそう…。