……そうだった、そうだった。

 この時代、というか、近代あたりまでは一夫多妻制が普通なんだった……。

 藤原道長とかがいい例じゃないか!

 ちょっと時代は違うけれど。



 真人お父様にご側室がいらっしゃらないから、スッカリ頭から抜け落ちてた……。

 なんてややこしい時代なんだろう!



「堤巳様、姉は元気にしておりますか?」


「ああ、子供ともども元気にしているよ。蘭花ちゃんと一緒に行ってごらん。姪の顔も見たいだろう?」


「はい……姉とも姪とも、久しく会っておりませんので」


「父上に話は通しておくから、いつでもおいで」


「はい、堤巳様」



 双方、にっこりと笑い合う。



 なんて、和やかな雰囲気。

 これで、水がお茶だったら言うことないのに……。



 飛鳥時代、お茶というものは日本にはまだないらしい。

 ということで、飲み物はお水かお湯だ。

 そのうち飲み物に飽きそうな自分がいて、少し怖い。