「お久しぶりでございます、堤巳様」
「うん、久しぶりだね。湖子殿、元気にしていたかな?」
「はい。堤巳様もお変わりなく……」
「うん、元気だったよ。とりあえずお座り。三人で話をしようか」
「はい」
そうして、三人が席について、湖子が持って来てくれた水入りコップの中身をコクコクと飲んだ。
まだ季節は秋だけれど、冷たい水はなかなかに美味しい。
「堤巳兄様、なぜ湖子を呼んだのですか?」
「ああ、それはね、彼女が俺の義理の妹だから、話をしようと思ってね」
…………。
義理の妹?
けど、湖子は地方豪族の娘で、現・小野真人邸の采女よね?
……何が何なのか、さっぱりわからない。
私は考えることを投げ。た
わからないことは訊くまで、だ。
「どういうことですか?」
「彼女の姉君が私の側室なんだ。なかなかの美人だから、今度会ってみるといい」
「ご側室?」