まつりごと?

 ……ああ、政治ってことね。



 最近は言葉の意味を察するのがなんとなくだけれどできるようになった、のかもしれない。

 一応、湖子に確認を取らなくてはいけないけれど。



 ツツミ兄様のにっこり笑顔が少しだけ崩れて、面白がるような笑みに変わった。

 遊ばれている、と思う。

 真人お父様の言っていた『性格に難あり』というのは、間違いなく本当だ。

 よく息子のことを見抜いた言葉だと思う。

 けれど――。



「……ツツミ兄様の意地悪」



 イジメられてうれしい馬鹿が居るはずないじゃないか。



 つい、ジト目で睨んでしまった。

 にっこり微笑まれて視線を逸らさざるを得なかったけれど。



「可愛い子はついついイジメたくなってしまうんだ」


「なんですかその性癖は」


「さあねぇ……。自分でもよくわからないよ、何なら君が教えてくれる?」


「……湖子はそろそろ来るんじゃないですか?」



 とりあえず、逃げてみた。

 三十六計逃げるにしかず、とも言うし。

 うん、先人たちの言葉は正しいっ!!