私が真人さん――いや、真人お父様に拾われて、早三日が経った。
「蘭花様」
「何ですか?」
話しかけてきたのは、湖子さんという名前の采女。
湖子さんが私の側付きになってくれた時のことを思い出す――。
「蘭花や」
「何ですか、お父様」
相変わらずのにこにこ笑いを浮かべて、真人お父様は自分の背後を振り返った。
「ほれ、前に出なされ」
「はい」
そうして、前に出てきた女の人に、思わず見入ってしまった。
可愛い。
とにかく、可愛いっ!
頭の上でお団子にされた色素の薄い髪が、彼女の顔を小顔に見せている。
実際、かなりの小顔なんだろうなぁ……。
おまけに、ほっそりとした体つきだけど、出るところはちゃんと出てるし、引っ込むところはちゃんと引っこんでいる。
こんなことを思っていると変態オヤジみたいだ、と気付いてしまった自分が少し嫌だった。