「二人は……人間なんだよね?」
当然、肯定を示してもらえると思っていた。
けれど、二人は予想に反して、肯定はせずに肩をすくめた。
「え。まさか、妖怪とかの人外魔境の生物なの?」
「まあ、そんなわけないでしょう! 妖怪どもとわたくしたちを同列に並べるだなんて、あなたの気が知れませんわっ!」
「まあまあシイナ。彼女は何も知らないのだから、それは仕方ないよ」
なら、教えてくれればいいのに。
唇を引き結んでムッとしていると、ようやくシイナを宥めたサノが、ウインクしてきた。
似合うからヤメテ欲しい……。
キザな行動がなんとなくムカつくのはなんでだろう。
「そんなにジックリと見ないで欲しいな。照れてしまうよ?」
「勝手に照れててください、自意識過剰男さん」
「あら、小野蘭花。あなた、今とてもマトモなことを言ったわね。褒めて差し上げてよ」
「シイナ……。それは俺に対してかなり失礼じゃないか?」
「あなたにはそれで十分でしてよ」
夫婦漫才のような二人に、呆れるしかなかった。
一体、このコンビは何しに来たんだろう。
とにかく、勝手に人を巻き込まないで欲しい。