「君が小野家の人間で、女の子だったからだよ」
「でも、小野家の女の子って、私の他にも居るはずなんだけど……」
「そこは適当に選んだから、運でしてよ」
運……？
それって……。
「悪運じゃないソレ！！」
「まあ、なんてひどいことを言うの！ 少しは選ばれたことを光栄に思いなさいなっ！」
「思えるわけないじゃない！」
「無理でもナンでも思いなさいっ！」
「無理なことを堂々と押し付けないでよっ！」
ギャンギャン騒ぐ私たちを見て、サノは深く溜息をついた。
っ、何を人事のように振舞っているのよ！
「サノ、あなたからも何かおっしゃいなさいな！」
「はは、元気な子はいいねぇ」
「そういう問題ではなくてよ！」
「人事みたいに言わないでよ！」
「いやいや、実際俺たちにとっては人事だしなぁ～」
酷い。
それでも血が通ってるのだろうか……。
あれ……？
と、『アル事』に気付いて二人を見る。
すると、視線に気付いたらしいサノに、「何だ？」と訊かれた。
