妙にエラそうな態度の二人組に押され、私は「わかった」と答えるしかなかった。
頷け~という感じのオーラが二人の後ろに見えたのは、果たして幻覚だったのか。
ゾゾゾっと背筋に寒気が走ったことだけは確かだ。
「で、残り二つの質問だけどな」
「ここは、異空間とでも言えばいいかしら。あなたの居た日本でもないし、どこか他の国でもないわ」
「俺たちは『ハザマ』と呼んでるけどな」
「ハザマ……?」
「そう」
ハザマ。
はざま。羽間。波佐間。挟間。
……挟間!?
「ち、ちなみに、どことどことの挟間なの?」
「ああ。過去と未来との間だ」
「……つまり、ここは時間の挟間ってことなの?」
よくできました、とでも言うように、美女はにっこりと笑った。
「そうよ。物分りが良くて助かってよ」
なんだ、ココ。
そんなにとんでもない所だったんだ、と今さらながらに感心した。
よく私、冷静で居られるわねぇ……。
「で、だ。最後の質問だがな」
「『なぜ、私がここに居るの?』だったわね」
「ええ。……どうしてなの?」
見上げれば、サノもまた、シイナと同じようににっこりと微笑んで口を開いた。