彼らは、ほぼ間違いなく朝廷の重要人物。
そんな人たちと知り合いになったということは、ただの興味関心だけじゃないはず。
だって、ほら。
中臣鎌足さんの目を見れば分かってしまう。
一瞬だったけれど、その瞳に会ったのは、私を値定めする光。
純粋な白の、興味深々としたものでも、蘇我倉山田石川麻呂さんの優しいベージュのようなものでも、葛城のようなびっくりしたものでもなかった。
そんな彼らへの、ごあいさつ。
これから、間違いなく朝廷と関わることになってしまう。
きっと、言葉の一つ一つが重くなる。
けれど、今は……。
「はい」
偶然ともいえるような再会や、新しい出会いというものを大切にしてもいいかな、と思う。
だって、私が生まれたのは現代だけれど、今私はこの飛鳥という時代で生きているんだから。