「っ……っ!」


「げっ、そなたこの間の……ッ!」



 なんて偶然だろう。

 むしろ悪夢かもしれない。



 私がそう思ってしまったのも、当然といえば当然のこと。



 なぜなら……。

 あの、優しいんだか性格が捻くれてるんだかよくわからない彼。

 それが、目の前に再び立っていたから。



 ……なんの嫌がらせだろう。

 一瞬、真人お父様を本気で恨んでしまった。



「な、なんであなたがここに居るのよ……」


「それはこちらの台詞だ」



 キッと睨みつけると、同じくキツく睨み返された。

 互いに、どことなく好戦的な性格のせいかもしれない。



 そうして、ジリジリと睨み合うこと、しばらく。