「そう言っていただけるとありがたい」



 穏やかに笑ったその人は、 真人お父様よりも年をとっていた。

 ただ、綺麗好きなのか、ヒゲをたくわてはいないようだけれど。

 白い髪が、黒くて変な形の帽子の下で窓からの太陽に光でキラキラ光っている。

 服は朝服ではなくて、ゆったりとけれども上品にその色の服を着こなしていた。



「まことに」



 次いで、そう言ったのは堤巳兄様に近い年齢と思わせる男の人。

 髪の毛を堤巳兄様みたいに左右で瓢箪の形に結っている。

 一重の目が細められて表情は笑顔。

 ただ、それは真人お父様が浮かべるような穏やかなものではなかったけれど。



「常々感謝してもし足りません。真人殿、して、堤巳殿はお元気ですか? ……っ!」



 そして最後の一人は、一番若い。

 私とさして変わらないか、少し上、くらいの容貌だった……けれど。



 今この時の問題は、そこじゃない。