下着の上にかけられた白衣。
少し透けてるし、
太腿とかでてるし・・・




何これ!??!??




「 くそ女・・・ 」




チッと舌打ちをすると
携帯を耳に当てて
”このくそ女!”と
叫んで切っていた。






すごい行動力だな・・・。





「 俺、あっちにいるから・・・ 」


「 ・・・はい 」








”何かあったら呼べ”と
ドアノブに手をかけたとき、
彼の携帯が鳴った。




「 ぁあ? 」


「 嘘だろ!? 」


「 このくそ女! 」





多分、紫さんだ。
彼は携帯を切ると
寝転んだままのあたしの
目の前に座り込んだ。





・・・・出て行かないの?





「 お前、熱だすかもだから
  ここにいろって言われた 」





彼の耳が真っ赤になっていて
思わず笑ってしまう。








「 何、笑って・・・ 」




痛む体を忘れて笑っていると
近付いてくる彼の顔。





チュッと触れるだけのキスをすると
至近距離で目が合う。




「 悪ぃ・・・ 」




目を逸らして謝ると
彼はあたしに背を向けた。










「 俺、やっぱあっちの部屋にいる 」




そう言って立ち上がった彼は
またドアノブに手をかける。






「 ・・・・・で 」


「 え? 」



「 行かないで・・・ 」






無意識に口から出た言葉に
自分でも驚いてしまう。
当然彼も驚いたように振り向いて






「 我慢できねーんだよ・・・ 」





と困った顔をした。








・・・・困らせちゃった。
男の人だもんな・・・。




「 そういう顔すんなよ・・ 」


「 え? 」





あたしの目の前に腰を下ろすと






「 襲うぞ? 」






と耳元で囁いた。
再度 顔が熱くなったような気がして
顔を隠したい衝動に駆られるけど
隠すものがない。






「 顔、赤いけど・・まさか熱!? 」






彼はあたしの額に手をあてると
”・・辛いか?”と心配そうに
あたしの顔を覗き込んでくる。









「 米原さん!あの・・・ 」


「 龍弥 」


「 え? 」


「 龍弥でいいから 」






金髪にピアス、その上心配性な彼。
あたしの父との関係が気になっても
聞かないでくれるその優しさは





・・・・何処からくるの?






「 で、神崎だっけ? 」


「 麗華 」


「 え? 」


「 麗華で・・・いいです・・ 」


「 麗華、な 」





”よろしく”とあたしの額にキス。
男の人に面識がないあたしは
どうしたらいいのか分からなくて
目を瞑ってしまう。










「 何、してんの? 」


「 ・・・え? 」





至近距離で緊張してしまって
目を瞑っていたあたしは
驚いた彼の声に顔を上げた。





・・・あたし、何かしたっけ・・?





「 あ、いや・・何でもない 」





”ちょっとコンビニ行って来る”
と 上着を片手に持った彼が
部屋を出て行った。






─────・・何だったんだろう・・・?









目の前に広がる真っ白な天井。
・・・そういえば、まだまともに
お部屋見れてないや。





見ても、いいかな?






痛む体を 少し起こして
ソファの背もたれに手をかけると
そのまま勢いで 上半身を起こした。





「 ・・・・ッたぁ・・・ 」





予想以上に、重症だったんだ。
歩ける・・・かな?





床に足をついて、ソファから
少し腰を浮かすと・・・





ドタンッ・・・









・・・・歩く前に、
立てもしないの・・・?





「 ・・・ちょ・・・・・え!? 」





白衣・・・踏んじゃってる!!!
あたし思いっきり下着姿だし!





どうすればいいの!?







「 白衣・・!!! 」






引っ張ってみるものの
自分が動かない限り
白衣も着れないわけで、





・・・・つまり、このまま
彼が帰ってきたりしたら・・・・