「 ・・・・麗華 」




あたしの手を優しく包んだ龍弥は
すごく真剣な顔をしていて
月明かりに照らされた金髪が
綺麗に光っていた。







「 俺で、いいのか? 」


「 え? 」


「 こんな男で・・ 」






───────龍弥・・・
なんで、そんな悲しい顔するの?






「 あたしにとって、龍弥は
  世界一ステキな人だよ? 」






これが今のあたしの精一杯の告白。









驚いた顔をしていた龍弥は
顔が赤いような気がした。





「 ・・・・麗華 」





腰に腕を回して ゆっくりと近付く
龍弥の顔。











「 ──────────好きだ 」





触れるだけのキスの後
少し困ったように微笑んで
返事をくれた。





「 俺の女になってくれる? 」





・・・・”俺の”・・・




「 なってあげる♪ 」




いつも 龍弥ばっかりかっこよくて
ズルイ。










「 帰ろ? 」





思いが通じ合った今、
あの部屋に入るときも
”他人”の言葉を気にしないで
・・・・いいんだよね?






「 いや、無理だろ 」







・・・・・・・








「 俺、鍵壊したし、修理中 」


「 え? 」


「 だから今日は・・・・ 」







ニヤリと笑った彼は
あたしの耳元で ”ホテル”
と 嬉しそうに囁いた。









「 では、ご予約されたお部屋は・・ 」





こちらになります・・・なんて
言うわけないよね?






「 こちらになります 」






・・・言うわけ・・・・・






「 では、何かありましたら・・・ 」


「 ああ、分かってる 」


「 失礼します 」






失礼しないで!!!!!!!!!!
ちょっと待って?
急展開すぎない?









あのまま更に暗い森の中を
歩かされて・・・すぐにホテル?
予約?部屋?こちら?・・・どちら?




何で部屋にいるの?
何でベッド1つなの?






ここ、何処なの?






「 麗華、緊張しすぎ 」


「 えぅっ・・・だって・・! 」





やっぱりあたしは女の子だもん!





「 すぐヤらねーよ 」


「 ヤるとか言わないで! 」


「 とりあえず、風呂 」





彼の指先を見つめると
真っ白な扉が1つ。





「 ゆっくり入ってこいよ♪ 」





”俺が洗ってやろうか?”
なんて笑う彼は、悪魔だった。









・・・・・広い。
真っ白で眩しいくらいに
なんか綺麗だし・・・






「 ・・・うぅぅ 」






お湯があったかい。
湯気がいっぱい。
すぐそこにある扉。






─────現実なんだ。






「 あたし・・・・ 」






彼女・・・なんだよね?







つまり・・・あんなことや・・・
こんなことを・・・・・









少し考えてみると
”付き合う”ってそうゆうこと・・で
あたしは今から・・・







「 ひゃぁあぁっ 」






考えちゃだめだ!
のぼせちゃう!










──────ガチャッ





「 俺も入ろっと 」


「 え?! 」


「 麗華、大胆だな 」







超余裕な表情の彼は
立ち上がったあたしの体を
笑顔で眺める。









「 ちょっと!!!!! 」





のぼせちゃうから
上がろうと思ってたのに!
なんでいつもタイミングがいいの?!





「 お前、顔赤いぞ? 」


「 龍弥! 」


「 のぼせてんじゃねーの? 」


「 龍弥!! 」





”なんだよ?”とあたしの顔を見て
不思議そうに首をかしげた龍弥は
平然と・・自然と・・・普通に・・・・






「 服脱がないでよ! 」






パンツ一丁。









「 服着たまま入れって? 」


「 あたし上がるから・・・ 」


「 上がるから・・・? 」


「 ちょっと出てて・・・っ 」






恥ずかしさが頂点に達しているあたしは
龍弥に背中を向けた。






「 あちぃな 」











・・・・・この・・・・・鬼!!!!!!
人の気もしらないで
脱いだ!入った!喋った!







「 バカ龍弥! 」


「 なんだって? 」


「 こっち来ないでよ・・・! 」