教授の表情は、だぶん何も変わっていなかったと思う。

もう涙でわたしは何も見えなかった。



「それで、君の気が済むんだったら。

それも一つの選択肢だろう。

君はまだ、二十歳そこそこなんだ。

しなければいけないことよりも、したいことを優先するべき年齢だ。

私は、君が幸せであることの方が望みだから。

辞めることが、君の幸せになるのなら、私は世界中を敵に回してもその選択を応援しよう。

きっと、それは、君の大切にしている友人たちもそうするだろう。



・・・何も恐れることはない。

君は一体何をそんなに恐れているんだい?

死人には、何もできないんだよ。

そして、君の人生は、君だけのものだ。」