広い庭にごった返していた人達は、お兄ちゃんと海翔にぃちゃんの姿を見ると一斉にこちらを向いて姿勢を正した。


ビクつく私を小さく笑って、~あれはここの挨拶だ~と海翔にぃちゃんが教えてくれた。

倉庫へ来て分かったのは、ここのチームにはチームを纏める~頭~がいるって事。

それはお兄ちゃんでも海翔にぃちゃんでもないって事。


頭でもないお兄ちゃん達があーやって挨拶されるのは頭に近い身分の人だという事。

海翔にぃちゃんが庭にいる人達と戯れている間、離れた場所に立つお兄ちゃんと私は話していた。


「ここまで理解すると周りは頭が誰なのか興味を持つ。小織は?」


私は?と聞かれ、お兄ちゃんの差す~周り~が女の人だと理解し、お兄ちゃんの質問に対して

『周りと一緒にしないで』


と怒りを低い声で表して見せた。

お兄ちゃんはゲラゲラと笑うだけで、私の手を取って倉庫の外階段を上がっていった。